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 中国四国地域のリンパ腫を中心とした血液疾患の診断・治療の情報を出来る限り多くの仲間で共有化したいという目的でこの中四リンパ腫カンファレンスは2008年から開始されました。地域を共有することから互いの医療状況が見える関係にあり、時には辛辣な討議もなされますが、それもこのカンファレンスの特徴のひとつになっています。また、診断や治療に苦慮するケースが提示されることも多く、しばしば長時間にわたる論議がなされるのも若い先生にとってはとてもいい勉強になっていると自負しています。
 特にリンパ腫については、新らたな疾患分類による診断とその後の管理がどのような臨床的効果を生み出すのかについて個々の症例から学ぶことは、基礎、臨床を問わずその専門を目指す者にとってとても重要な課題であり、このニーズにこたえるのが本カンファレンスの最大の目標であります。幸いなことに、診断に関しては日本のリンパ腫病理のトップであり、WHOの診断分類作成にも参加されている吉野教授と岡山大学第二病理のメンバーが主体となって当たっていただいていますので、毎回とてもレベルの高い討議が重ねられていることに心から感謝しています。
 私共の大きな願いは、本カンファレンスを通じて一人でも多くの若い先生方が、リンパ腫をはじめとした血液疾患の診断・治療の領域に興味を持っていただくことであり、さらには、レベルの高い医療を提供することで一人でも多くの患者さんの幸せにつながることにあります。
 本カンファレンスへのより多くの症例のご発表と、より多くの若い先生方の積極的なご参加を今後ともよろしくお願いいたします。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍内科
谷本光音
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 今更言うまでもないことですが,リンパ腫は臨床と病理の関係がきわめて密にしなくてはいけない領域で,その程度は疾患大系,臓器系統別でも最高度に属すると考えています。中四リンパ腫カンファはその文脈の上に立った会で,谷本教授のご指導,私どもとの協議により発足することができました。ごく簡略に言うと第二内科,第二病理の会といってもよい構成となっています。この種の会は地域毎種々の“流派”が混在するものがかなりあるのですが,その場合は発言がやや抑制され気味になる傾向にあり,他の地域から“コメンテータ”を迎えることが多い。その点,中四カンファ「身内の会」であり,そのよさは抑制なく議論を進めることができる点に集約されます。単独教室同士の会でありながら40名を超える参加者があり,お願いして症例を集めることもなく,自発的に集まることは特筆すべきことです。協賛企業もこの点感謝とともに驚いているようでした。
 リンパ腫分類は2008年に新たな展開を迎えており,この会はそれを予期したようにスタートし,この4月で第10回となりました。この間,種々の興味深い症例が検討されてきました。大体半年経った時点で次の会となりますが,その間の臨床経過を確認することをしています。言いっぱなし,診断つけっぱなしの会では得られない客観的な振り返りをすることはとても重要なことです。10回ということはほぼ4年半を経過したことになるのですが,5年目くらいからは長期の予後についてのチェックをすることが可能で新たなデータが得られるのではないかと思います。
 二内ではWest-JHOGが活発に活動しており,全国的にも注目される存在になってきています。われわれ病理も側面からそのような活動を支援していくとともに共同した研究を推進したいと思います。また,私どもが二内の先生方にご助力いただくことも多々あるかと思います。この中四リンパ腫カンファを通じて醸成されたいい関係を今後とも継続発展させたいと思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 病理学(腫瘍病理/第二病理)
吉野 正